元英会話スクールカウンセラーのカワジュン(@kawayoshijun)です。
今回は「英会話レッスンに予習と復習は必要なのか?」「その目的の違いは?」という話をします。
その答えは…「必要」です!
そして、時間がなくてもやれる方法を教えます!
カウンセラーとして受講生の方とお話をしていると、結構な割合で「時間がなくて全然予習復習ができていないんです」という方がいらっしゃいます。
仕事が忙しく、週末も予定を入れてしまって…という感じの方が多いですね。
でも、けっして安くはないレッスン料金を払っているのにもったいないな、って思っちゃいます。
せっかく高いお金を払っているんだから、そのレッスンをもっとうまく活用すれば、それだけ上達も実感できるくらい効果的になるのに、って思うんですよね。
だから、今回の記事は次のような方に向けて書きます。
- 「そもそも予習復習ってする意味あるの?レッスンだけじゃダメ?」って思っている方
- 今英会話スクールに通っているけど、予習復習ができていない方
- 予習復習したいけど時間がなくてできない方
- 予習復習しているけど、時間がかかりすぎている方
一つでも当てはまったらこのまま読み進めていきましょう!
目次
英会話レッスン 予習の目的
英会話の習得にはアウトプットが必要
まずは英会話レッスンにおける「予習の目的」について説明しますが、そもそも英会話の習得にはアウトプットが欠かせません。
アウトプットの重要性は以前の記事でもたびたび触れました。
アウトプットがないと記憶への定着や、単語や表現を「使える」レベルまで引き上げることが難しいのです。
インプット + アウトプット
この両方が必要です。
アウトプットとは、いわゆる4技能(Reading, Listening, Writing, Speaking)のうちのWritingとSpeakingです。書くことと話すことですね。
そして、英会話スクールに通うことの最大の意味は、このうち「Speakingでのアウトプットの機会をもつこと」に他なりません。
英会話レッスンは「アウトプットの最大化」が目的
その意味で、せっかく安くはないレッスン料金を払っているのであれば、そのレッスンをできるだけ意味のあるものにしないともったいないです。
つまり、「アウトプットの最大化」です。
具体的に言うと、レッスンの時間の中で、
出来る限りアウトプットに費やす時間を多く持つ
= 覚えた単語や表現を使ってみる時間を多くする
ということです。
インプット < アウトプット
という式にしないといけないんですね。
なぜかというと、やろうと思えば「インプットは自分ひとりでできる」からです。
逆に、「アウトプットは自分ひとりでは難しい」のです。(「できない」ということではないです)
自分一人でできることを、わざわざお金を払って先生と一緒にするのはもったいない。
同じお金を払うなら、自分ひとりでは難しい「アウトプット」にその時間をあてましょう、ということです。
予習は「事前でのインプット」
そして、その
インプット < アウトプット
という関係にするために、予習が必要になるのです。
レッスン中でのインプットを減らすため、あるいは、レッスン中でアウトプットするための準備が予習になります。
英会話スクールであればカリキュラムがあると思います。
そして、単元ごとにターゲットとなる表現があって、レッスンではそれを使って練習します。
レッスン中、その表現をテキストを見ながら言う練習をする…これって一人でもできませんか?
それに、それだけでスムーズに使えるレベルまでになりますか?
それをできる人は少ないでしょう。
なぜなら、インプットとアウトプットを同時にやろうとしているからです。
インプットしたその場で、すぐ自分のものとしてアウトプットできるようになるのは非常に困難です。
そのため、事前にまずインプットしておく。
また、この段階で、可能であれば自分一人でアウトプットの練習をしておく。
そして、それを思い出しながら、レッスンで講師を相手にアウトプットする。
この流れが必要なのです。
もし予習をしていかないと、「インプット > アウトプット」という配分になってしまうのです。
英会話レッスン 復習の目的
では復習についてはどうでしょうか。
英会話レッスンにおける復習の目的は、予習のそれとは全く異なります。
人間は、ものごとを忘れるようにできている
エビングハウスの忘却曲線をご存じでしょうか。
ドイツの心理学者のヘルマン・エビングハウスという人物による実験で、人間が学習をしたあと、時間の経過によって記憶量がどのように変化するか、というものを測定し、グラフにしたものです。
この実験結果によると、学習の20分後には40%以上忘れてしまい、1日経つと約66%、6日後には約75%を忘れてしまいます。
なんと、1週間「なにもしないで過ごす」と、覚えたことの3/4を忘れてしまうのです!
でもこの「なにもしないで過ごす」というのがポイントです。
つまり、忘却曲線の下降をできるだけ防ぐように「なにか」してあげればいいのです。
そうです。
「なにか」= 復習です。
記憶が薄れかけたところで思い出させてあげるわけです。
そして、再び記憶率(先程のグラフの縦軸)を100%に近づけてあげます。
もちろん、また忘れていってしまいますが、1回目よりも下降が少し緩やかになります。
そこでまた復習をして思い出させてあげるんですね。
これを繰り返すことで、下降が少しずつ緩やかになり、記憶に定着しやすくなります。
「一度にまとめて」よりも「ちょっとずつ何度も」
そして、1回目の復習のタイミングが重要です。
先程の忘却曲線によれば、1週間経つと約75%を忘れてしまうので、そこまで忘れてしまうと思い出すまでの労力が大きくなってきます。
「週末に時間を作って、まとめてやろう」とすると、記憶の大部分を失ってしまいます。
ですから、できるだけ早く最初の復習をしてください。
できればレッスン直後、せめてレッスンを受けたその日には復習の時間を作りましょう。
そして、2回目は3日後、その次は1週間後、2週間後、というように、定期的に思い出させてあげるのです。
例えば金曜日にレッスンを受講したとします。
まずは金曜日の夜に1回。
できれば土日にまた1回。
翌週の水〜金曜日に1回。
ここまでやるだけでも記憶への定着がかなり変わってきます。
忙しくて復習の時間が取れない方へ
よく相談いただくのが、「忙しくて予習の時間どころか、復習の時間もつくれないんですよ!」というものです。
時間の作り方についてはまた別の問題がある可能性もありますが(笑)、一つ提案できるのは「スキマ時間でも復習はできる」ということです。
やろうと思えば復習もきりがないので、例えばノートをさっと見返すだけでも、脳に思い出させてあげることができます。
別に机に向かってする必要はないんです。
電車に乗っているときでも、トイレに入っているときでも、見返すくらいならどこでもできます。
あとは「やるかやらないか」です。
復習をしないと、「レッスンの内容が無駄になる」
もし復習をしないと、忘却曲線が示すように、学習した内容のほとんどを忘れてしまいます。
忘れてしまっては、せっかく頑張った意味がなくなってしまいますよね。
安くないレッスン料金を払って、忙しい中時間を作ってレッスンを受けているのに、それがほとんど無駄になってしまう…これってもったいなくないですか?
厳しい言い方をすると、それだったら通う意味がないです。
勉強した気になって、自己満足しているだけ。
せっかくやる気とお金を出して通っているのなら、ちゃんと上達していきたいですよね?
完璧を目指す必要はないです。
まずはレッスンを受けたその日にノートを1回見返す。
ここから始めましょう。
それだけでも確実に変わってきます。
慣れてきたら少しずつ頻度を増やしていきましょう。
「一度にまとめて」ではなく、「ちょっとずつ何度も」やりましょう。
まとめ
結論として、
予習と復習はどちらも必要
です。
予習は、レッスンでのアウトプットを最大化させるために。
復習は、学習したことを無駄にしないために。
それでも時間がなくて、十分な予習・復習ができない、ということであれば、
予習 2 : 復習 8
の比率でやってください。
とにかく復習をしないのは、学習そのものの意味がなくなってしまいます。
予習は「レッスンの価値向上」が目的なので、「学習効果」を目的としている復習のほうが、優先順位が高いです。
ぜひスキマ時間をうまくつかって、できるだけ繰り返し復習をしていってくださいね。
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