元英会話カウンセラーのカワジュン(@kawayoshijun)です。
今回は、英会話の習得におけるインプットとアウトプットの重要性と、それをPDCAサイクルで回していくことの必要性についてのお話です。
そして、それはどこかスポーツと似ていて共通する部分が多いので、そのあたりもわかりやすく解説していきたいと思います。
英会話は技能教科
「英語」は公教育において「外国語科」という扱いになりますが、これはよく「主要5教科」というくくりにされています。
しかし、「英会話」という観点では、実は美術や音楽・体育のような「技能教科」に近い側面があります。
中学校で行われる技能教科の筆記テストで、点数のいい生徒が必ずしもその技能教科が好きだ、というわけではありませんよね。
美術史の暗記が得意でテストでは良い点を取れる、でも絵はびっくりするほどヘタ、とか。
逆に、テストは全然できないけど、絵を書かせるとすごくうまくて、いつも絵を書いてばっかりいる、とか。
英会話も同じです。
英語のテストで点数が取れるから英語を話すのが得意、ということではないです。
英会話はコミュニケーション=実技であり、英語ができなくても最低限の英語でコミュニケーションを取ることだってできます。(「出川イングリッシュ」がその良い例)
つまり、「英会話」は技能教科として捉えたほうがしっくりくる、ということなんです。
英会話はスポーツと同じ(インプットとアウトプット)
そういう意味で、実は「英会話」はスポーツに例えると共通点があってわかりやすいです。
テニスで例えてみましょう。
Aくんは錦織選手に憧れて、中学生になってテニス部に入部しました。
初めてやるので最初はルールもよくわからないし、正しい打ち方のフォームや、試合中の動き方も全くわかりません。
そこで、まずはきちんとルールを覚えることからはじめ、打ち方や動き方も勉強しました。
次に、学んだ打ち方や動き方を身体に覚えさせるために素振りをしたり、部活の練習中にはフットワークの練習や壁打ち、スマッシュの練習をしました。
並行して、家に帰ってからは筋トレやランニング。
そのうちに部活の中で試合形式の練習をさせてもらえるようになりましたが、なかなかイメージ通りに動けなかったり、ミスをしてしまったり、悔しい思いを何度もしました。
でも、だんだんイメージ通りうまく動けるようになってきて、自分でもうまくなってきたと実感できるようになってきました。
逆にうまくいかなかったことは後で振り返ってフォーム改善の素振りをしたり、走り込みをしてスタミナをつけたりして、少しでもうまくなろうと努力をしました。
半年後、初めて他校との試合に出させてもらえることになりました。
最初はとても緊張したけれど、途中から練習通りの動きができるようになってきて、完璧ではないけど僅差でなんとか勝利を収め、次の試合への自信がつきました。
…という架空のお話でした。
これを英会話に例えるとどうでしょう。
Bくんは今まで英語が苦手でしたが、最近部署が変わってから仕事で外国人と話す機会が出てきました。
でも、外国人の前に出ると緊張してしまうし何も話せない。
言ってることはなんとなくわかるんだけど、なにも単語が出てこない。
だから、いつも結局話せる人に頼ってしまっている…。焦ったBくんは重い腰を上げて勉強することにしました。
まずは受験のときに使っていた単語帳を引っ張り出して単語を一つ一つ覚えることから。
そして、文法も忘れているし、もともとよくわからなかったので、改めて文法の本を買って少しずつ学んでいきました。
また、スマホのアプリで良さそうなのをダウンロードして、英文をリスニングしたり、真似して読んでみたりしました。
最初は単語もわからないことだらけだし、文法も意味がわからなかったり。
リスニングしても早くて聞き取れない。
英文を読むのはできても、自分で単語を使って文を作ろうとするとよくわからない。
少しずつ覚えてられている感じはしているけど、ちょっと限界を感じ始めたので、英会話スクールに通うことにしました。
外国人の先生の前で話すのは、最初は緊張しました。
でも、何度かレッスンを受けているうちにだんだん慣れてきて、今まで覚えた単語とかも少しずつ出てくるようになりました。
新しく覚えた単語を試しに使ってみたら使い方が違っていたようで、先生が直してくれたり、仕事で英語を使うと話したら、その仕事と同じシチュエーションで練習させてもらったり。
そうしているうちにできそうな気になってきて、実際の仕事のときに頑張って、他の人に頼らず一人で話してみました。
ところどころ伝わらなくて苦労しましたが、最終的にはちゃんと意思が伝わって、外国人にも喜んでもらえたので、Bくんはとても自信がつきました。
…いかがでしょうか。
テニスの話と似ていることに気づきましたか?
整理すると、以下のようなイメージです。
テニス | 英会話 | 共通点 |
ルール、フォーム、動き方などの知識 | 文法、単語、構文の知識 | インプット |
フットワーク、スマッシュ、筋トレ、ランニング | リスニング、発声練習 | アウトプットの自己練習 |
試合形式の練習 | 英会話スクールのレッスン | アウトプット |
他校との試合 | 仕事での外国人とのやり取り | 実践 |
テニスで、インプット(ルールやフォームの知識)だけ覚えて練習しなかったら、いきなり実践(他校との試合)をしようとしても、絶対に負けるでしょうし、なにもできずに終わりますよね。
英会話も同じです。
インプット(単語、文法)だけしていきなり実践の場で使おうとしてもほとんど何もできずに終わると思います。
その間にあるアウトプットが絶対に必要なのです。
もちろん、アウトプットだけでもいけません。
インプットしていないものはアウトプットできませんので、インプット量を増やさなければ、実践で使える量も増えていきません。
だから、英会話はスポーツと同じなのです。
英会話におけるPDCAサイクル
前項では、インプットとアウトプットの両方が大事、というお話をしました。
その理由をお話します。
それは、どちらか1つが欠けるとPDCAサイクルが成り立たず、上達に結びついていかないからです。
PDCAサイクルについてかんたんに説明しますと、
P(Plan:計画)、D(Do:実行)、C(Check:評価・検証)、A(Action:改善)という目標達成のためのフレームワーク(フロー)です。
先程の表に加えると、以下のようになります。
テニス | 英会話 | 共通点 | PDCAサイクル |
ルール、フォーム、動き方などの知識 | 文法、単語、構文の知識 | インプット | P |
フットワーク、スマッシュ、筋トレ、ランニング | リスニング、発声練習 | アウトプットの自己練習 | P(D) |
試合形式の練習 | 英会話スクールのレッスン | アウトプット | DとC |
他校との試合 | 仕事での外国人とのやり取り | 実践 | PDCAの“目標” |
テニスの例でも、自己練習の成果を試合形式の練習で試す、というお話をしました。
これはD・Cにあたります。
本番(他校との試合)の前に、自己練習で身につけたものを試し、再現できたこととできなかったことを確認したり、自分にまだ足りないものに気づいたりするわけです。
これを英会話で置き換えると、
P(インプット)→D(アウトプット)→C(レッスンで検証)→A(再インプット)
という流れで表現できます。
つまり、P「計画」とは、いうなれば「英語でのコミュニケーションを成立する」という目標のための情報収集であり、そのゴールをイメージすることです。これがインプットにあたります。
そして、インプットした情報が正確かどうか、あるいは、インプットしたことをきちんとアウトプットできるか、という検証をDからCの流れで行うことになります。
この「検証」のステップがないと、インプットが誤っていることに気づかないまま実践で使ってしまうこともありますし、そもそもインプットできたつもりだったが実際は全然使える状態ではなかった、ということが起こりえます。
最後に、その「検証」(DからC)を通じて気づいたギャップを、再インプットで「改善」(A)していくことで、一つ一つ自分のものにし、自信をつけていく必要があるのです。
このPDCAサイクルが回せないと、実際の英会話力は上がっていかないですし、いつまでたっても自信がつきません。
以上のことから、インプットとアウトプットはどちらも大切であり、アウトプットのステップがないと上達はしていかない、ということになるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、
・英会話はスポーツと同じ
→インプットとアウトプットが両方必要
・英会話におけるPDCAサイクル
→インプットとアウトプットの両方が必要な理由
というお話をしました。
このPDCAサイクルを意識して、インプットとアウトプットのバランスをとって学習していきましょう(^^)
なお、インプットとアウトプットに関連した内容を、別記事「【英単語】語彙力における4つのレベルについて解説!」でも書いているので、よろしければこちらもお読みください。
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