元英会話カウンセラーのカワジュン(@kawayoshijun)です。
「VAK」って聞いたことありますか?
- 視覚 (Visual)
- 聴覚 (Auditory)
- 運動感覚 (Kinesthetic)
この3つの頭文字をとったものがVAKです。
このVAKはコミュニケーションスタイルでもあり、学習スタイルでもあります。
この「VAKの学習スタイル」を取り入れることで、同じことを学習するのでもその効果が大きく変わってくるんです。
- 単語が覚えられない
- 勉強しているけど上達している気がしない
そんな方にぜひ知っていただきたいです。
ということで、今回はこの「VAKの学習スタイル」を取り入れて学習効果を高める方法を解説します。
目次
VAKの学習スタイルとは
先述の通り、VAKとは、
- 視覚 (Visual)
- 聴覚 (Auditory)
- 運動感覚 (Kinesthetic)
の3つのタイプのことをいいます。
「優位表層システム」とも呼ばれます。
シンプルに言うと、この3つのタイプの違いによって、なにかを学習する上での「吸収しやすい方法」が異なります。
これが「VAKの学習スタイル」です。
つまり、
- 視覚情報からの吸収(=学習)効果が高い人(視覚優位)
- 聴覚情報からの吸収(=学習)効果が高い人(聴覚優位)
- 運動感覚情報からの吸収(=学習)効果が高い人(運動感覚優位)
とに分かれるわけです。
これを踏まえて自分の得意な学習スタイルに合った勉強法をすることにより、その学習効果を高めることができます。
次の項では、それぞれのタイプに見られる特徴を解説していきます。
VAKそれぞれの特徴
①視覚 (Visual)
視覚情報からの学習効果が高いタイプです。
(1)視覚優位の人(V/Visual)
上体や頭を直立させて、座ったり、立ったりする。視線は情上方に向けがち。胸の上半分で呼吸する。椅子には上体を前に乗り出して座る。身なりはきちんとしていて、整理整頓を心掛けている。モノを記憶するときは、絵にして覚え、表現は視覚的表現をする。周りの音に気持ちを乱される度合いは低い。気持ちがあちらこちらに飛びやすく、言葉で出される指示を覚えるのが難しい。見かけを大事にする。外見に心を動かされやすい。痩せた筋肉質型の体型が多い。テンポが速く、早口で話す。話が飛ぶことに違和感はない。出典:京都産業大学『高等教育フォーラム』「大学職員にできること─学生支援、教職員連携に関する考察 第3回大学コンソーシアム八王子FD・SDフォーラム 「未来を拓く『強い人材』づくり」の参加報告」大谷 麻予著 (京都産業大学学術リポジトリより)
周りにもいましたよね、ノートがすごく綺麗にまとまってる人。
でも、意外と理解してなくて、ノートをまとめることで満足してしまっていたり(笑)
また、言葉だけで説明されても理解がしきれず、図などで示してもらえると、すんなり頭に入ってくるタイプもこれに当てはまります。
②聴覚 (Auditory)
聴覚情報からの学習効果が高いタイプです。
(2)聴覚優位の人(A/Auditory)
目を左右によく動かす。胸のみぞおちあたりで呼吸をする。言葉を大切にし、理論的である。自問自答をしたり、独り言をよく言ったりする。騒音があると集中できない。言葉で伝えられたことを容易にできる。聞いて学習することが得意。音楽を聞いたり、電話で話したりすることが好き。自分のことを言ってもらうことが好き。声の調子や言葉に反応しやすい「あぁ」「え~」といった非言語が多く入る。擬音をよく使う。出典:京都産業大学『高等教育フォーラム』「大学職員にできること─学生支援、教職員連携に関する考察 第3回大学コンソーシアム八王子FD・SDフォーラム 「未来を拓く『強い人材』づくり」の参加報告」大谷 麻予著 (京都産業大学学術リポジトリより)
このタイプの人は、ノートを取ることを頑張る視覚優位の人と異なり、授業中は先生の目を見て話を聴くような人です。
また、ノートもそれほど取らない傾向もあります。
③運動感覚 (Kinesthetic)
運動感覚情報からの学習効果が高いタイプです。
(3)身体感覚の優位な人(K/Kinesthetic)
目を下の方に動かす。胸の奥の当あたりで呼吸をする。お腹での呼吸が観察しやすい。動いたり、話したりする速さはゆっくりしている。具体的な感触や触れ合いに反応しやすい。視覚優位の人よりも人の近くに立とうとする。何かをしたり、体を動かすことでものを覚えやすい。感触や感じに興味を持つ。声のトーンは低い傾向があり、落ち着いた話し方をする。感じながら話すので、テンポは遅い。早口で沢山話されると、情報の処理がついていかなくなることがある。1つのことをじっくりと味わうのが好き。「ずしっ」「ぐちゃっ」等、感覚を表す言葉を良く使う。出典:京都産業大学『高等教育フォーラム』「大学職員にできること─学生支援、教職員連携に関する考察 第3回大学コンソーシアム八王子FD・SDフォーラム 「未来を拓く『強い人材』づくり」の参加報告」大谷 麻予著 (京都産業大学学術リポジトリより)
落ち着きがない人はこのタイプの人が多いです。
なにかを覚えるときは、説明を聞くのは半分くらいにして、とにかく「やって」覚えていくタイプですね。
「身体に覚えさせる」という感じでしょうか。
VAKを診断してみよう!
これまでの説明で、「自分はこのタイプかなぁ?」というイメージが少し持てたと思いますが、自分のことは自分がいちばん知らないともいいます。
そこで、VAKのタイプを診断するサイトを紹介します。
いくつかの質問に答えるだけで自分のタイプが診断できます。
5分あれば終わりますし、無料なのでぜひ試してみてください。
診断では3つのタイプごとにスコアが出ます。
そのスコアが一番高いもの、それがあなたのタイプです。
ただし、タイプは一つとは限りません。
一つだけ突出している場合もあれば、複合的に2つが高い場合もあります。
また、どれかが際立って低い場合もあります。
診断が終わったら、次はいよいよタイプ別のおすすめ学習法について解説していきます。
VAK別の英語学習法
①視覚優位の人
視覚情報からの学習効果が高いので、視覚に訴える教材や、視覚をからめた覚え方をしていくのが効果的です。
- ノートを自分の見やすいようにまとめ、それを見返す
- 単語帳を繰り返し見る
- Reading中心の学習
- Listeningは映像のあるもの(映像、ドラマ)を使用する
→映像を頭に焼き付けて覚える
とにかく文字をみてビジュアルで頭に焼き付けること、イメージを文字に結びつけることが効果的です。
例えば、単語帳でもノートでも、「あのページのここらへんに書いてあったな」とか思い出せるようにすると記憶に残りやすいですね。
②聴覚優位の人
聴覚情報からの学習効果が高いので、音声教材を中心に使ったり、人と話しながら学習をしていくのが効果的です。
- Listening中心の学習
- 単語帳は音声教材セットのものを使用する
- 英会話レッスン
単語を覚えるのも、音声教材がセットになっているものを使用すると効果的です。
そして、人と話しながら頭に入れていくことが得意なので、英会話レッスンが一番おすすめです。
留学、英会話スクール(オンライン含む)など、ぜひ検討してみてください。
③運動感覚優位の人
運動感覚情報からの学習効果が高いので、手や身体を動かして学習をしていくのが効果的です。
- 単語をひたすら書く
- 英会話レッスン
- ドラマなど動きのあるもので学習する
- ドラマなど真似する
前述の2つと共通する方法もありますが、実際に動きながら、体験しながらの学習が効果的なので、英会話レッスンは効果大です。
また、とにかく手を動かして(書いて)覚えるのもいいでしょう。
Listeningについては、音声だけのものよりも、映像があるものの方が覚えやすいですし、ドラマなどのセリフを身振りも真似て練習するのが効果的です。
なかでも、海外ドラマの『フレンズ』はおすすめです。
VAKを英語の授業に活用した例
VAKを英語学習に活用した実験授業の論文がありますので、興味のある方はご覧になってみてください。
「中学校英語科における学習スタイルをふまえた指導法の効果」岩﨑 香織著 (島根大学学術情報リポジトリより)
そのなかでは、下記のように結論付けられています。
教育的示唆
ここまでの結果・考察から以下の2点が明らかになった。
・特定の学習スタイルが優位な生徒にとっては特化した学習スタイルによる指導・活動が効果的に働く。
・特段優位な学習スタイルのない生徒については特化した学習スタイルによる指導・活動が効果的ではなく,どの学習スタイルも取り入れた指導・活動が効果的である。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今取り組んでいる学習法がうまくいかないと感じているのであれば、このVAKの視点で学習法を見直してみてください。
あなたにピッタリの学習法が見つかるかもしれません。
また、先述の通り、優位なのは一つとは限りません。
人によっては2つが優位なケースがありますので、上記の学習法を組み合わせてみるのもいいでしょう。
逆に、突出して弱い感覚があるのであれば、それに関する学習法の優先順位を下げてみるのも一つです。
ちなみに僕は、視覚と運動感覚の2つが強めなタイプなので、ノートを工夫して何度も見返したり、ドラマを使って学習したりしたのが効果的だったと感じます。
自身のパターンによって、うまく学習法を工夫してみてください。
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